製薬会社大手のファイザーについて、最新の現状を調査します。

企業概要

1.ファイザーは、年間売上高が$500 億を超える世界最大手の製薬会社のうちの1社である。業界で最大規模といわれる年間$80億近い研究開発費用を費やし、ヘルスケア製品分野および医薬品化学分野で、医薬品の発見・開発・製造を行ってきた。

2.現在は処方薬とワクチンが売上高の大半を占めている。肺炎球菌ワクチンのプレベナー13、神経障害性疼痛治療薬のリリカ、がん治療薬のイブランス、心血管疾患治療薬のエリキュース、自己免疫疾患治療薬のゼルヤンツが売上高の上位を占める。

3.医薬品は世界各地で販売され、海外市場の売上高が全社売上高の約50%を占める。また、海外では新興国が主力市場で全体の売上高の5分の1を占めている。

医薬品の発見、開発、製造、販売のすべてを手掛ける大医薬品会社。アメリカ国内と海外とで、ある意味バランス良く販売を行っています。

直近及び過去3年各数値指標

PERがやや低めの割安状態が続いています。売上、純利益は、ほぼ安定しています。キャッシュフローがやや下降傾向なのが気になる所です。

連続増配実績は、10年と短め。2009年に他社買収によりドーンと減配した歴史があるようですが、その時期以外は増配の歴史の企業なので安易に減配することはないでしょう

営業キャッシュフローマージン、配当性向も問題ない数値で推移しています。

セグメント構成

2019年から事業体制を変更しました。

1月1日付で、エスタブリッシュ医薬品事業部門を発展的に改組し、新たに「アップジョン事業部門」を新設した。

オンコロジーや炎症・免疫、希少疾患、ワクチンなどの各部門は「イノベーティブメディスン事業部門」に集約し、アップジョン事業部門との2部体制に改めた。

アップジョン事業部門の取り扱い製品は、ノルバスク、リピトール、セレコックス、リリカなど、非感染性疾患(NCDs)領域の治療薬となる。

今一つ、区分の意味が分かりませんが、アップジョン部門は生活習慣病や傷などの非感染症の治療薬及び特許切れ医薬品に特化した部門のようです。

四半期業績推移 ~2020-Q1

2020年 第1四半期結果

  • 売上高・・・前年同期比 8.3%減の 120.28 億ドル(市場予想は 118.06 億ドル)
  • 1株当たり利益・・・80 セント(市場予想は 71 セント)
  • 純利益・・・前年同期比 12.4%の 34.01 億ドル(市場予想は 39.41 億ドル)

売上高の内訳

  • イブランス(乳がん治療薬)の売上高・・・12.5 億ドル(市場予想は 13.2 億ドル)
  • エリキュース(血栓治療薬)の売上高・・・13 億ドル(市場予想は 11.8 億ドル)
  • プレベナー(肺炎球菌ワクチン)の売上高・・・14.5 億ドル(市場予想は 14.6 億ドル)
  • リリカ(疼痛治療剤)の売上高・・・3.57 億ドル(市場予想は 3.94 億ドル)
  • ゼルヤンツ(リウマチ治療薬)の売上高・・・4.51 億ドル(市場予想は 4.98 億ドル)
  • リピトール(高脂血症治療薬)の売上高・・・4.05 億万ドル(市場予想は 4.33 億ドル)

業績推移と配当推移

営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローが若干の減少傾向ですが、売上、純利益はまずまず順調です。配当状況も問題ないでしょう。

株価推移(過去5年)

ここ数年株価は、上がりそうで上がらずという状況です。

総評

製薬会社と言うのは、大型訴訟問題や特許問題、ジェネリック医薬品の存在などのリスクがあるため、株価上昇に対して常に圧力がかかる傾向にあるようです。

ファイザーに関しても売り上げやキャッシュフローの状況を見れば、もっと株価が上がっても良いように見えるのですが、割と割安のレベルに据え置かれているという印象です。

しかし、買い増しを行うには何の問題もなし、というのが結論です。