世界最大の売上高を誇る大手小売業者ウォルマートについて、最新の現状を調査します

魅力

デジタル分野へ舵を切り、アマゾンの対抗馬1番手に。

企業概要

1.売上高で米国最大の小売業者であるウォルマートは、11,500の店舗を運営している。店舗では、さまざまな雑貨や食料品を販売している。

2.国内市場は2019年度全社売上高の76%を占め、海外ではメキシコ・中米(同6%)、英国(同6%)、カナダ(同4%)が主要市場となっている。

3.米国内の売上は、約56%が食料品、33%が雑貨、11%が健康・ウエルネス用品で構成されている。

4.自社で運営するeコマースサイトに加え、Flipkart、Jet.com、shoes.comなど複数のeコマースサイトを展開している(また、中国のオンライン小売業者JD.comの株式の約10%も保有)。eコマースサイトの売上高は総計で2019年度全社売上高の約5%を占めた。)

日本では、名前の割にはあまり馴染みのないウォルマートですが、現在は西友がウォルマートの日本法人となっているため、実は日本国内でも影響力はそれなりにあるようです。

ただ最近では楽天と提携したり、あるいは西友を再上場した上で売却するのでは、と言われたり対アマゾン戦略は何が起こるかわからない状況です。どうやらウォルマート全体から見ると日本はあまり重要市場ではないようです。

直近及び過去3年各数値指標

数字的には、特筆すべきところはあまりないです。連続増配実績が45年というのが唯一引かれる所でしょうか。配当利回りも低めですし、フリーキャッシュフローは減少傾向、営業CFマージンも5%前後と低い数字で推移しており、金回りが若干不安です

セグメント構成

やはりアメリカ国内向けの売り上げがUSとサムズクラブ(会員制スーパー)で約7割強を占め、USの割合は年々増加しています。

近年では伸び悩むブラジル事業から撤退しましたし、西友売却も現実味を帯びてきたような気がします。

四半期業績推移 ~2020-Q1

※売上高と利益の差が大きいので、別グラフで表示

2020年第1四半期 結果

  • 売上高 1,337億ドル (前年同期比8.7%増)
  • 営業利益 52億ドル (前年同期比5.6%増)
  • 連結純利益 40億ドル (前年同期比3.9%増)
  • 希薄化後一株当たり純利益 1.40ドル (前年同期比5.3%増)

すべてにおいて前期よりは下がっていますが、前年同期と比べると数字が上がっています。

部門別

  • 国内 売上高 8,870万ドル (前年同期比10.5%増) 営業利益 430万ドル (前年同期比3.9%増)
  • 国外 売上高 2,980万ドル (前年同期比3.4%増) 営業利益 90万ドル (前年同期比15.6%増)
  • サムズクラブ 売上高 1,520万ドル (前年同期比9.6%増) 営業利益 50万ドル (前年同期比9.5%増)

部門別に見ても前年同期比で、すべて上昇しています。

業績推移と配当推移

売上は、順調に伸びていますがそれと比べると純利益は低い状況が続いています。キャッシュフローはほぼ横ばいで、投資等でお金が毎年かなり出て行っているのがわかります。

商売自体は割と好調なようですが、資金繰りは結構綱渡り状態のような気もしますが、安定はしているので方針通りなのでしょう。

株価推移(過去5年)

ここ数年順調に株価は伸びています。特筆すべきはコロナショック後、最高値を更新していることです。

総評

ウォルマートと言うのは、アメリカではいわゆる百貨店ではなくディスカウントショップであり、又同時にコストコのような会員制スーパーを展開する量販店の最大手です。

個人的には、配当利回りは低いし、フリーキャッシュフロー、営業キャッシュフローマージンも低くあまり好みではないのですが、バフェット太郎氏が所有していたのと、連続増配実績40年以上ということで数年前に勢いで購入した銘柄です。

ただ現在は、アマゾンに対抗できる数少ない企業として注目を集めているらしく、株価も好調です。

日本でのプレゼンスはあまり高くないですが、ここ数年でかなりドラスティックに体質を変えているらしく、更なる株価上昇も見込めそうで持っていて楽しそうな銘柄ではあります。