コンソリデーテッド・エジソン(以降、コンエジソンと呼ぶ)の最新の現状を調査します。
企業概要
1.コンエジソンは1884年に設立され、ニューヨークに拠点を置いています。
ニューヨーク市南東部を含むニューヨーク南東部の顧客とニュージャージー州の小さな部分に蒸気、天然ガス、電気を供給しています。2.内訳は、ニューヨーク市とウェストチェスター郡の約350万人の顧客に電気サービスを提供、マンハッタン、ブロンクス、クイーンズの一部、ウェストチェスター郡の約110万人の顧客へのガスを提供、ニューヨーク南東部とニュージャージー北部の約30万人の顧客に電力を供給、ニューヨーク南東部の約10万人の顧客にガスを供給しています。
3.所有、運用施設は、15の変電所; 64の配電変電所。 89,395インサービスライントランス。 3,745ポールマイルの架空配電線。 2,200マイルの地下配電線、4,318マイルの本管および376,306の天然ガス配給用サービスラインがあります。
コンソリデートとは「連結」という意味で、その前身は、あのトーマス・エジソンにまで遡る電力会社を始めとする多数の企業の連合体として、20世紀半ばにほぼ今の形の企業となったようです。
現在、構成は4つの子会社と3つの孫会社(コンエジソンのHPより)から成っています。
- Con Edison of New York(本体)は、ニューヨーク市とウェストチェスター郡の約330万人の顧客に電気サービスを、約110万人の顧客にガスサービスを提供しています。マンハッタンの一部でも蒸気サービスを提供しています。
- Orange&Rocklandは、ニューヨーク南東部とニュージャージー北部の隣接地域の30万人以上の顧客に電気サービスを提供し、ニューヨーク南東部の13万人の顧客にガスサービスを提供しています。
- Con Edison Transmissionは、顧客が多様な低コストのエネルギー供給にアクセスできるようにする電気および天然ガスの送出プロジェクトに投資しています。
- Con Edison Clean Energy Businessは、以下の3つの主要な子(孫)会社を通じて、再生可能エネルギーとエネルギーインフラストラクチャー資産を開発、所有、運営し、卸売りと小売りの顧客にエネルギー関連の製品とサービスを提供しています。3つの子会社とは以下のとおり。
- Con Edison Solutionsは、再生可能エネルギー、持続可能性サービス、費用対効果の高いエネルギー効率ソリューション、需要対応、およびエネルギーパフォーマンス契約を提供するエネルギーサービス企業です。
- Con Edison Developmentは、再生可能エネルギーおよびエネルギーインフラストラクチャを開発、所有、および運用しています。これは、北米で最大のソーラー所有者および事業者の1つです。
- Con Edison Energyは、経験豊富な電力マーケティング担当者および資産マネージャーであり、カスタマイズされたエネルギー管理サービスを幅広いクライアントに提供しています。
直近及び過去3年各数値指標
連続増配実績の44年が光りますが、配当性向が年々上昇しているのが気になります。
フリーキャッシュフローがマイナスなのは電力関連企業の多くに共通する傾向です。
直近四半期業績
2020 Q1結果
- 売上:【結果】32億3000万ドル 【予想】【前年同期比】-8%の減益
- 純利益:【結果】4億4500万ドル(調整後) 【前年同期比】1%の増益
- EPS:【予想】1.40ドル 【結果】1.35ドル(調整後)↓
- 2020年度の調整後の収益予測を、以前の指針である4.30ドルから4.50ドルの範囲から、1株あたり4.15ドルから4.35ドルに引き下げた。
セグメント構成及び推移
コンエジソンは、複数の企業の連合体になっていますが、本体であるCon Edison of New Yorkの電力、天然ガス及び蒸気の提供事業が全体の83%を占めており、その割合は過去5年間変わっていません。
今後は、再生エネルギー部門の売上推移に注目していきたいです。
業績推移と配当推移
売上、利益は安定していますが、ここ数年は借金を行っての投資が増大傾向です。
結果としてフリーキャッシュフローがマイナス傾向にある所が気になる所ですが、大きなマイナスとはなっていないので、コントロールされて安定したキャッシュフロー状態かと思われます。
配当は順調に増配傾向にあります。
過去5年間の株価
コロナショック以降、若干株価が上がったり下がったりの状態になっていますが、それまでは概ね微増傾向の安定状態でした。
総評
他の電力、ガスの公共株と比較してとりわけ大きな特徴のある会社ではありません。
あえて言えば、全体的に穴のないバランスの取れた経営状態が特徴と言えるかもしれません。
以下に特徴を並べてみると
- 大型株企業である。(時価総額約300億ドル)
- 営業キャッシュフローマージンが25%前後で安定している。
- 連続増配実績が44年である。
- 配当が3%超えである。
- 売上、利益が安定している。
- 世界的大都市(ニューヨーク)への電力、ガスの供給を行っている。
飛び抜けたものはありませんが、すべてが安定志向であると言えます。
同業の大手、サザン(SO)、デュークエナジー(DUK)、ネクステラ(NEE)と比べても経営状態は引けを取りませんし、連続増配実績(18年、13年、10年)については圧倒的に勝っています。
もっと注目されても良いと思うのですがねぇ。
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