私の保有銘柄の中では保有率が最も高く優良株の代表ジョンソン&ジョンソン(以降、J&Jと呼ぶ)についての最新の現状を調査します。
企業概要
1.J&Jは、世界最大規模で最も多角的なヘルスケア企業である。医薬品、医療機器・診断、消費者の3部門で構成されている。
2.医薬品、医療機器・診断の部門は合わせて売上高の80%近くを占め、キャッシュフローの大半を占めている。医薬品事業部門では、免疫、腫瘍、神経、肺、心臓、代謝疾患などの領域に重点を置いている。
3.医療機器・診断事業部門では、整形外科、手術器具、視覚ケア、およびいくつかの小さな領域に焦点を当てている。
4.消費者事業部門は、ベビーケア、美容、口腔ケア、市販薬、および女性の健康に焦点を当てている。
5.地理的には、米国内で総収益の約半分が生み出される。
アメリカ最大級の総合ヘルスケア企業。絆創膏のバンドエイドなど有名ブランドを有しています。
ただ、日本で知られているブランド(商品)だと、バンドエイド、リステリン、ベビーオイル&ローション、パウダーくらいでプロクターアンドギャンブルに比べるとだいぶ少ない印象です。
コロナウィルスのワクチン製造にも重点を置いている注目企業ですが、昨年はオピオイドの訴訟で多額の制裁金の支払い判決がでるなど、訴訟リスクも負っています。
直近及び過去3年各数値指標
目を引くのは2017年の純利益の低さですが、これはアメリカの税制改正の影響で、多額の費用計上が必要になったことの影響です。
事業自体に問題があったわけではないのは、キャッシュフローは殆ど影響を受けていないことからもわかります。
売上、配当、営業キャッシュフローマージンも安定していて、頼もしい限りです。
連続増配実績も56年で王者の風格です。
セグメント構成
私の勝手なイメージでJ&Jというと生活用品の会社だと感じていましたが、実際は医薬品、医療用品・機器の売り上げが80%以上を占める会社です。
セグメント別の業績推移を見ても医薬品のみが売上が伸びている状況です。
四半期業績推移 ~2020-Q1
2020年 第1四半期結果
- 売上:前年同期比 3%増の 206.91 億ドル(市場予想は 194.76 億ドル)
- 1 株当たり利益:2.30 ドル(市場予想は 1.99 ドル)
- 純利益:前年同期比 9%増の 61.54 億ドル(市場予想は 52.70 億ドル)
2020年 通期ガイダンス
- 売上:792~822 億ドル(従来予想 858~866 億ドル、市場予想:796.3 億ドル)
- 1 株当たり利益:7.50~7.90 ドル(従来予想は 8.95-9.10 ドル)
業績推移と配当推移
売上、純利益共にゆるやかな上昇傾向となっています。キャッシュフローは財務キャッシュフローが増えている所が気になりますが、営業、フリー両キャッシュフローは問題ないようです。
株価推移(過去5年)
私が初めて買った2015年には100ドル以下でしたが、150ドルを超える所まで伸びています。
総評
ファイザーと同様、医療関係企業は、大型訴訟問題や特許問題、ジェネリック医薬品の存在などのリスクがあるため、株価上昇に対して常に圧力がかかる傾向にあるようです。
特にJ&Jに関しては、昨年のオピオイドをめぐる訴訟リスクからの制裁金の支払い問題が顕在化しています。
しかしそれでも、株価は長期的に見れば上昇傾向をたどっており、増配傾向も引き続き期待できそうなので買い増しを行うには何の問題もなし、というのが結論です。
5月23日追記
3月下旬に、新型コロナウイルス用ワクチンの臨床試験(フェーズⅠ)を 9 月までに開始し、2021 年初めには緊急使用許可を得られる可能性があると発表した後、株価も一時155ドルまで上昇しました。
しかし、その後他メーカーのワクチンのニュースが取り上げられる中、J&Jのニュースが聞かれなくなるにつれ株価も徐々に下降気味です。
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