アメリカ国外向けのたばこ産業フィリップ・モリスについて、最新の現状を調査します。
企業概要
1.フィリップ・モリス・インターナショナルは、米国外の市場でたばこ、およびその他のニコチン有製品の製造および販売を行う世界有数のたばこ会社である。
2.製品開発、最先端の製造設備、科学的実証に基づく多元的な研究を通じて、成人消費者の嗜好に合った、厳しい規制要件を満たす無煙製品の開発を続けている。最終的には、これらの製品がたばこに取って代わるというのが経営者のビジョンである。
言わずと知れた米国外向けのタバコ製造販売の最大手です。現在は無煙製品(アイコス)のシェア増加を目指しています。
直近及び過去3年各数値指標
売上と純利益自体は横ばいですが、負債が資産を上回ったため自己資本(正味財産)はマイナスになってしまいました。マクドナルドと同じ状況ですね。
ただ純利益はコンスタントに出していますし配当利回りもアルトリアほどは高くなっていません。全体的な数字の傾向がマクドナルドとよく似ています。
ただ、株価が現時点で4倍以上違うので、配当利回りはだいぶ違います。
セグメント構成及び推移
可燃性製品(タバコ)の売り上げが約8割、リスク低減製品(アイコス)の売り上げが残り2割となっています。今後この割合がどんどん縮まっていくのか、要するにアイコスの売り上げが上がっていくのかがポイントのようです。
四半期業績推移 ~2020-Q1
2020年 第1四半期結果
- 希薄化後EPSは34.5%増の1.17ドルでした。
- たばこおよび加熱式タバコの出荷量は1.2%減少しました(たばこの出荷量は4.4%減少し、加熱式タバコの出荷量は45.5%増加して167億個になりました)。
- 米国を除くIQOS市場 での加熱タバコ製品の市場シェアは、1.9ポイント増加して6.6%です。
- 純収益は6.0%増加しました。
- 営業利益は36.0%増加しました。
- 四半期中、1株あたり1.17ドルの四半期配当を宣言しました。
業績推移と配当推移
売上、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー、配当のすべてが微増状態です。この喫煙逆風の中でこれはすごいことなのかもしれません。営業キャッシュフローマージンも30%以上を保っています。
株価推移(過去5年)
2017年から徐々に下降気味です。2017年には一時、120ドルを超える所まで行きました。
悲しいことにその頃に20株ほど買っているので、キャピタルゲインは現在マイナス一方で配当収入でも追っつかない状況です。
総評
フィリップモリスもアルトリア同様、タバコのブランド力が高いので参入障壁が高く、安定した売り上げが見込めるため、配当収入を期待している自分にとっては良い銘柄です。
またアルトリアに比べるとアイコスの売り上げが海外で割と好調に見えます。少なくてもアメリカ国内の停滞ぶりに比べると見通しは明るい感じがします。
アルトリアは純利益がマイナス、フィリップ・モリスは自己資本(正味財産)がマイナスの違いですが、やはり純利益がマイナスの方がまずい気がしますね。
しかし、これもアルトリアと同様、世界的な禁煙の流れと今回のコロナウィルスが喫煙者にはより厳しい結果を招いている可能性が高い現状を見ていると、こちらも安泰とは思えません。
高配当は魅力ですが、このまま株価が下がるとあまり意味はないかもしれません。新興国の行けてない現地通貨預金みたいな状況になりつつあるような気がします。
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