今週四半期決算を迎えるコカ・コーラについて、簡易調査を行います。
数字から何か見えてくるでしょうか?
企業概要
1.コカ・コーラは、世界最大級のノンアルコール飲料会社である。コカ・コーラ、ファンタ、スプライトなどの炭酸飲料や、ミニッツメイド、ジョージアコーヒー、グラソーなどの非炭酸飲料を販売している。自社の飲料に使用する濃縮原液(あるいは飲料ベース)の製造など、サプライチェーンの初期段階での製品製造事業に注力している。
2.製造した製品はその後、100社を超えるボトラーにより加工され販売される。濃縮原液事業がユニットケース販売量の85%(2018年度)を占める。英国のコーヒーチェーン市場でリーダー的地位にあるコスタの買収によって、ホット・ドリンク市場でのプレゼンスが拡大した。
3.全社売上高の大半が海外での販売により生み出されている。
言わずと知れたバフェット銘柄。ブランド力は世界最強クラスです。原液製造とボトリング事業の2本立てで利益を上げています。
直近及び過去3年各数値指標
優良企業で利益も安定しているのかと思いきや、意外と純利益の振れ幅は大きいです。
コーラをはじめとする甘ーい飲み物に対する風当たりが強くなり、巨大企業コカ・コーラと言えども試行錯誤中なのでしょう。
コカ・コーラの飲み物は、日本ではコーラ以外のお茶やコーヒーなども結構好調のように見えますが、世界全体で見ると日本コカ・コーラの売り上げ状況はちょっと特別のようです。
本体の方でもイギリスの大手コーヒーチェーンのコスタ買収により、炭酸飲料以外の路線を模索し始めたようです。
それでも売上自体は安定していますし、キャッシュフロー関連の数字も安定しています。
連続増配実績は、56年の配当貴族銘柄の一つです。
セグメント構成
原液製造事業とボトリング及び販売事業の二本立てですが、現在ボトリング事業に力を入れていいるようですので、今後の動向に注目です。
四半期業績推移 ~2020-Q1
- 第 1 四半期売上高、調整済み EPS ともに予想を上回った。
- 売上高は前年同期比 1%減の 86億 1000 万ドルと、予想(83 億ドル)を上回った。
- 1 株利益も 0.51 ドルと市場予想(0.44 ドル)を超えた。新型コロナの影響が本格化する前の 2 月までの業績は好調だった。
- 新型コロナウイルスの影響で 2020 年 4 月以降の世界の販売数量が前年同期比 25%減った。
- 外出制限やレストランの営業休止を受け、売上高の半分を占める小売りや外食業者向けの売り上げが大きく減少した。
- 同社は五輪を含め幅広いスポーツイベントのスポンサーとなっている。ジェームズ・クインシー最高経営責任者(CEO)は投資家向け説明会で東京五輪・パラリンピックの延期に触れ、困難な時期が続くと述べた。
- 新型コロナの最終的な業績への影響は外出制限などの政策がどこまで続くか次第とし、4-6 月期や 20 年12 月期通期の業績予想は取り下げた。
業績推移と配当推移
売上、純利益共に上昇傾向ではあります。営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー共に安定していますし、1株配当も増配傾向です。
生活必需品セクターですので、コロナショックの影響は他のセクターに比べれば小さいでしょうが、売上自体は減少するのは仕方ないでしょうね。
株価推移(過去5年)
株価推移は、緩やかに上昇傾向で問題はなさそうです。コロナショックによる減少も年初の8割程度までは戻ってきています。
総評
はっきり言って企業としての面白みは、ほぼありません。原液製造とボトリング事業の2本立ては今後も変わりはないでしょう。
ただ今後、日本コカ・コーラの成功を見て、炭酸飲料以外の路線を重視してくる可能性については注視しておく必要があります。
いずれにしろこれだけのブランド力を持っている企業ですので、配当収入の柱にこれからもなってくれることでしょう。
コメントを残す